電子化が進む自動車のデバイス技術開発に不可欠なEMC試験を受託しております。車載電子機器のEMC試験は、自動車に搭載されるさまざまな電子機器が電磁環境において正常に動作することを確認するための重要なプロセスです。デンケンでは、システムレベルと部品レベルの両方での試験が可能であり、特に車載用半導体の評価に力を入れています。
ヴァーチャルテストサービスでは、出張での立会いが難しい場合や、リモートワークの際に遠隔地からの確認が可能です。
半導体のEMC試験が求められるシチュエーション
具体的な試験の流れのご案内をする前に、どのような状況で半導体のEMC試験が必要になるのかを解説します。
1. 後継品への提案時
生産終了品に対して後継品を提案する際、メーカーや生産工場、生産工程が変わると、前の製品と新製品のEMC性能が同等であることを証明する必要が出てきます。この検証は、安全性を確認する上でも極めて重要です。
2. 競合製品との差別化
既存製品の優位性を証明するために、製品単体でノイズ耐性や特性評価などを実施します。これにより、他社製品との差別化を図り、評価データを取得します。
デンケンは、これらの状況に対応する豊富な経験を持っています。
注目の車載半導体のEMC試験:「DPI法」と「150Ω法」について
自動車は多くの車載機器を備えています。完成車だけでなく、各車載機器に対してもEMC規格が存在し、それぞれにEMC試験が求められます。
そのため、製品の変更(PCN)でEMCの再評価が必要となると、再試験には多大な手間と時間がかかります。
そこで、「ユニット(半導体製品が組み込まれた状態)試験の省略」と「技術者の負担軽減」を目指し、半導体製品単体のEMC性能の等価性を確認することで、車両EMC性能の等価性を判定できるケースが策定されました。
つまり、半導体製品単体のEMC性能を確認すれば、その半導体を使用している製品の試験は不要になるのです。
これが2021年5月に規格化された「JASO D019(自動車用半導体EMC性能等価性試験法)」です。JASO D019では、IEC 62132-4(DPI法)とIEC 61967-4(1Ω/150Ω法)が参照されています。
伝導性イミュニティ評価:DPI法(IEC 62132-4)
DPI法は半導体の各端子に容量性結合でノイズを直接注入し、誤動作の有無を確認する試験方法です。
通常の周波数範囲は1MHz〜2GHzですが、デンケンでは1.5kHz〜4GHzに対応しており、多様な製品の評価が可能です。
伝導性エミッション評価:150Ω法(IEC 61967-4)
「1Ω/150Ω法」は電源、信号、GNDの伝導ノイズを測定する試験方法で、「150Ω法」は線路のインピーダンスを150Ωに設定してグランドとの電位差を測定します。
IECやJEITA規格の周波数範囲は150kHz〜2000MHzですが、デンケンでは10kHz〜6GHzに対応しており、多様な製品の評価が可能です。
「他で断られた」「難しいといわれた」という方でも、お気軽にご相談ください。
DPI法・150Ω法のメリット
DPI法と150Ω法を使用して半導体単体のEMC性能を確認することで、ユニット試験が不要になります。その結果、試験時間は大幅に短縮できます。
例えば、LINトランシーバーがECUに組み込まれている場合、LINトランシーバーのEMC性能を確認すれば、それらの製品の試験は不要になります。
JASO D019が規格化されて以降、「DPI法」と「150Ω法」は注目を集めており、これが今後の標準となることが予想されています。
デンケンは半導体関連事業に40年以上携わっており、「JASO D019」の規格制定においても、暫定版規格に基づいた測定と規格制定のための評価のお手伝い※1をしてきました。その後も順調に実績を積み重ねています。
※1. 2021年春、JAMA(自動車工業会)に提出した弊社の測定結果が採用されました。
デンケンの「中部センター EMC試験サイト」は、自動車産業が盛んな愛知県に位置しています。ここでは車載半導体のEMC試験を多数手掛けてきました。
また、私たちは50年近く半導体関連の事業に従事しており、半導体に関する知識、技術、経験、実績は他には負けません。
EMC試験だけでなく、半導体の開発から各種認定試験、故障解析までトータルでサポートすることが可能です。
半導体やEMC試験に関する問題がある場合、どうぞお気軽にお問い合わせください。
保有設備
最新の試験設備を完備しています。
電波暗室 3室 / SR 3室
- 暗室1・2
- :6000㎜×7200㎜×H:3100㎜
- 暗室3
- :4000㎜×6500㎜×H:2600㎜
- SR
- :3000㎜×4000㎜×H:2600㎜