デンケンが考えるEMC試験の「品質」5つのポイント

愛知県刈谷市にあるEMC試験サイト、デンケン中部センターでは、試験品質を維持するためのさまざまな取り組みを行っています。

そこで今回は、デンケン中部センターの「試験品質」と、その品質を実現し維持する取り組みの5つのポイントについて、営業の杉浦さんに教えていただきました。

【この記事でわかること】
デンケン中部センターが考える、試験品質5つのポイント
1. 規格の認証を取得している
2. iNarte資格取得者を含む試験員による公平公正な判定
3. セキュリティの確保
4. 試験スタッフの強い責任感と使命感
5. カスタマーサービス(夜勤対応・納期厳守・快適な試験環境)

1. 規格の認証を取得している

まずEMC試験の品質を「信頼性」と考えた場合、最も重要なのは認証を取得して、その規格に準拠した試験を行うことです。デンケン中部センターでは、車載EMCで12規格、半導体EMCで4規格の認証を取得し、以下の試験を実施可能です。

車載EMC IEC/ISO17025認定試験 (12規格)

  1. ISO10605    静電気
  2. ISO11452-2 ALSE 法
  3. ISO11452-4 BCI
  4. ISO11452-8 磁界イミュニティ
  5. ISO11452    近接電磁界イミュニティ試験法
  6. ISO16750-2 電気負荷
  7. ISO7637-2   過渡伝導 イミュニティ
  8. ISO7637-2   過渡伝導 エミッション
  9. ISO7637-3   クランプ法(CCC 法)
  10. ISO7637-3   直接容量結合法(DCC法)
  11. CISPR25      伝導エミッション
  12. CISPR25      放射エミッション

半導体EMC IEC/ISO17025認定試験 (4規格)

  1. IEC62132-4               DPI法
  2. IEC61967-4               150Ω法
  3. JASO D 019               DPI法、150Ω法
  4. JEITA ED-5008          DPI法、150Ω法

上記の規格に該当する試験の予定がある場合は、デンケン中部センターでの試験をご検討ください。

2. iNARTE資格取得者を含む試験員による
 公平公正な判定

EMC試験で正確かつ信頼性の高い試験を実施するためには、規格に対する正しい認識を持ち、試験所として公平・公正な判断を下すことができるスタッフが不可欠です。そのためデンケン中部センターでは、EMCの技術スキルを認証するアメリカの資格「iNARTE」資格の取得を推進し、試験員を育成しています。

「iNARTE」は「アイナルテ」と読み、EMCの技術、スキルを認証するグローバルな技術資格です。
アメリカの非営利団体であるiNARTE(International Association for Radio, Telecommunications and Electromagnetics)が、1988年に創設し、日本では一般社団法人KEC関西電子工業振興センターがiNARTEと提携して資格制度を運用しています。
iNARTEを含む認証の証書

現在、デンケン中部センターにはiNARTE資格を持ったスタッフが2名在籍しています。現時点では全スタッフ取得には至っていませんが、毎週勉強会を行い、着実に資格保有者を増やしています。

このように、試験スタッフ全員が規格に対する正しい認識を持ち、試験所としての公平・公正な判定を行っています。

3. セキュリティの確保

EMC試験は、お客様の製品開発に関わる機密情報を扱う非常に重要な業務です。そのためデンケン中部センターでは、試験品質維持の一環として、セキュリティの確保を重視して試験を実施しています。

まず、すべてのお客様と事前に秘密保持契約(NDA)を締結し、お客様のデータや依頼内容については厳重に秘密を保持いたします。

また、試験データのやり取りに関してもセキュリティに配慮しています。
試験結果データの受け渡しは自社で開発した「T-Reception」という予約管理システムを使用し、予約されたご本人にのみ、専用サーバを通じて試験結果をお渡ししています。
専用サーバによる試験データ受渡し画面

デジタルでのデータ受け渡しに不安があるお客様には、試験結果データをCDに保存して郵送するアナログな納品方法もお選びいただけます。USB等で簡単にデータをお渡しすることはありません。

さらにサイト内ではICカードを用いた入退室管理を行い、入室エリアの制限を設けて物理的なセキュリティも強化しています。
デンケンはお客様の機密情報を守ることを最優先に考え、セキュリティの確保に取り組んでいます。

ICカードを用いた入退室管理

4. 試験スタッフの強い責任感と使命感

最近、自動車業界では認証不正の問題が各社で発覚するなどしていますが、デンケン中部センターでは、そのような不正が絶対に起こらないよう、試験所としての公平性の確保を徹底しています。当然のことではありますが、EMC試験所として、合格すべきものは合格、不合格のものは不合格と、試験結果を正確に伝えることを大切にしています。

この姿勢を支えているのは、試験スタッフ1人1人の強い責任感と使命感です。EMC試験は、一つでも評価に誤りがあると将来的に大きな事故につながる可能性があります。特に自動車に搭載する車載部品においては、EMC試験のミスで万が一動作不良が発生した場合、命に関わる重大な事故が発生する恐れがあります。デンケン中部センターの試験スタッフは、自分が担当する試験が人命に関わる仕事であることを正しく認識し、慎重かつ誠実に業務に取り組んでいます。

また、1つの試験ご依頼に対しては、1人の担当者が責任を持って対応し、そのうえで納品データのダブルチェックを行います。このように、試験を担当するスタッフのマインドが、高い試験品質を支える原動力となっています。

5. カスタマーサービス

私たちはEMC試験の精度や結果のみならず、お客様に快適に過ごしていただくための環境や対応についても品質に含まれると考えています。そのため一般の試験場では珍しいカスタマーサービスをいくつか行っています。

夜勤対応

お客様に特にご好評いただいているのが夜勤対応です。夜間も含めて24時間体制で試験を進められることで、一般的な試験場の約2倍のスピードで試験を実施できる体制を整えています。

納期厳守

当たり前のことではありますが、デンケンでは試験結果をお渡しするまでを試験と認識し、ご希望納期に必ず間に合うよう、試験スケジュールを調整して対応しています。もしイレギュラーな事象や問題が発生した場合には、速やかにお客様に連絡してご説明の上、ご理解いただけるように務めています。

快適な試験環境

お客様に快適に試験を進めていただけるような試験環境も、私たちが提供する品質の一つです。Wi-Fi完備の快適な休憩室、1日試験の場合のお弁当サービス、刈谷駅からの送迎などの付帯サービスを充実させており、お客様にご満足いただけるよう努めています。

まとめ

この記事では、デンケン中部センターが提供するEMC試験の「品質」について、5つのポイントをご紹介しました。

【デンケン中部センターが考える、試験品質5つのポイント】
1. 規格の認証を取得している
2. iNarte資格取得者を含む試験員による公平公正な判定
3. セキュリティの確保
4. 試験スタッフの強い責任感と使命感
5. カスタマーサービス(夜勤対応・納期厳守・快適な試験環境)

デンケン中部センターでのEMC試験は、オンラインで空き状況を確認でき、2回目からはオンライン予約も可能になっています。愛知県でEMC試験サイトをお探しの場合は、デンケン中部センターをぜひご検討ください。

デンケンEMC試験所 試験日程表
https://dkn-emc.jp/top
※2回目以降はオンライン予約も可能です

お問い合わせ・ご予約

電話  : 0566-95-2170

メール : https://emc-dkn.com/contact/

教えてくれた人

デンケン中部事業所 杉浦 貴紀   デンケン中部事業所で営業担当をしている杉浦です。このブログでは当サイトでの試験情報についてご紹介していきますのでよろしくお願いします。

この記事を書いた人

ものづくりライター 新開 潤子   製造業専門で執筆活動を行う「ものづくりライター」。ものづくりについて広く知識を持ち、ものづくり技術を言葉で表現して伝える活動を、愛知県を拠点に展開中。   https://office-kiitos.biz/
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