半導体EMC等価性の評価事例の紹介【前編】

今回は、2月18日に開催された「JEITA規格(半導体)オープンフォーラム2021」で弊社が発表した内容を一部抜粋して、解説したいと思います。

JEITA規格(ED-5008)とJASO規格(D019)を参照し、半導体製品におけるEMC性能の等価性を評価しました。

我々が重視した点を5点挙げ示します。

  1. 評価サンプルについて
  2. 評価対象端子について
  3. 評価基板について
  4. 誤動作とその判定基準について
  5. 等価性判断の考え方について

この内、今回は1~3の内容を抜粋して掲載させていただきます。

1. 評価サンプルについて【JEITA ED-5008(4.3)】

比較評価しようとする半導体サンプルは、JEITA ED-5008(4.3)では「その製品における代表的、あるいは同等の工程条件で製造されたサンプル」とあります。

このため評価サンプルは半導体会社が準備されることが必要です。

サンプルは電気的特性が同等な物を選別する必要がありますが、わずかな電気的特性差がEMC性能に影響を及ぼします。

2. 評価対象端子について【JEITA ED-5008(4.4.4)】

端子数が多い半導体製品を評価するには膨大な時間が必要となります。このためJEITA ED-5008(4.4.4)は評価端子を省略する際の考え方が記載されています。

グローバル端子(*1)は『必須』、ローカル端子(*2)は『任意』としたり、同機能の端子が複数有する場合は、代表端子で等価性を評価し、他の端子評価を省略することが可能です。

ただし、省略可能とする根拠は評価報告書に記載しなければいけません。

*1 )グローバル端子…IC端子のうち、外部のI/Fとして使用する端子 

*2 )ローカル端子…IC端子の内基板内の配線に使用する端子

3. 評価基板について【JEITA ED-5008(4.5)】

半導体を評価する際はその評価回路は半導体製品のデータシート等に記載されている推奨動作回路に準じます。ただし、コンデンサ、フィルタ等でEMC性能を改善させている場合は、適切に等価性評価ができない場合もあります。

その場合、半導体製品の動作に影響を与えない範囲でこれらのコンデンサ、フィルタ等の定数を変更あるいは部品を削減する検討も必要です。

評価基板の設計についてはJEITA ED-5008 およびIEC61967-1、IEC62132-1に記載があります(写真1)。また、評価基板に実装する部品、および評価に使用する基板配線の高周波伝導特性を確認する必要があります。

(写真1)

続きの4. と5. の内容は、

▶半導体EMC等価性の評価事例の紹介【後編】をご覧ください。

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