半導体EMC試験のIEC 62132シリーズ「DPI法」とは? 基礎から活用シーンまでを解説

半導体のEMC試験には、さまざまな規格や試験方法があります。中でもDPI法は、半導体単体のイミュニティ(電磁波耐性)を正確に評価できる重要な試験方法として知られています。今回は、半導体EMC試験に強い愛知県刈谷市のEMC試験所、デンケン中部センターの杉浦さんに、DPI法の基礎から実務面での活用までを解説していただきました。

・DPI法は、国際規格に基づく試験方法

DPI法は、国際電気標準会議(IEC)が定める半導体イミュニティの規格「IEC 62132シリーズ」の一つとして規定されています。このシリーズの中で、DPI法は「IEC 62132-4」として位置づけられています。

DPIは「Direct Power Injection」の頭文字を取った略称で、名前が示す通り、ICの各端子に直接ノイズを注入して誤動作の有無を確認する試験方法です。具体的には、評価用基板にICを実装し、各端子(例:8ピンのICであれば1ピンから8ピンまで)に対して、容量性結合によりノイズを直接注入していきます。

なお、この試験はケーブルを通じて直接ノイズを与える「伝導イミュニティ試験」に分類されます。

IEC62132シリーズの中で、デンケンでは-2、-4、―8 3つの試験に対応できる

・DPI法の特徴と活用目的

・半導体メーカーの場合

半導体メーカーでは、製品のノイズ耐量を把握するためにDPI法を活用します。自社製品がどの程度のノイズまで耐えられるのか、その実力値を正確に測定することができます。特に新製品開発時の性能評価や、既存製品との比較評価などに有効です。

・車載部品メーカーの場合

車載部品メーカーでは、特にPCN(製品変更通知)発生時の評価手法としてDPI法を活用します。規格に則った形で試験を実施できるため、製品変更時の妥当性確認に適しています。

なお、2021年5月に規格化された「JASO D019(自動車用半導体EMC性能等価性試験法)」でも、このDPI法(IEC 62132-4)が参照されています。また、JEITAのED-5008「半導体EMC性能等価性評価法」でも同様に参照されており、業界標準の評価方法として確立されています。

・デンケン中部センターでのDPI法試験

・周波数の対応範囲が広い

IECの規格では150kHz~1GHzの測定が規定されていますが、デンケン中部センターでは、3台の測定機器を使用することで20kHz~6GHzまでの広い範囲をカバーしており、規格範囲外の測定にも対応可能です。

屋内, テーブル, 部屋, 座る が含まれている画像

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半導体イミュニティ試験の試験環境構成例

また、デンケン中部センターでは、以下の製品においてDPI法による評価実績があります。

  • FET、MOSFET
  • 電源IC
  • CANトランシーバー
  • DCDCコンバータ
  • オーディオIC
  • 磁気センサIC
  • マイコン、DSP
  • オペアンプ
  • コンパレータ など

なお、デンケン中部センターは試験場認定を取得しており、正確な評価を実施できる体制と設備を整えています。

まとめ

DPI法は、半導体のEMC評価において重要な役割を果たす試験方法として確立されています。半導体メーカーにとっては製品性能の把握に、車載部品メーカーにとってはPCN対応時の評価に、それぞれ不可欠な試験となっています。

デンケン中部センターでは、広い周波数範囲での測定に対応し、さまざまな製品での試験実績を持っています。半導体EMC試験についてのご相談は、以下の連絡先までお気軽にお問い合わせください。

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電話 0566-95-2170
メール https://www.dkn.co.jp/contact/

教えてくれた人

デンケン中部センター 杉浦 貴紀  デンケン中部センターで営業担当をしている杉浦です。このブログでは当サイトでの試験情報についてご紹介していきますのでよろしくお願いします。

この記事を書いた人

ものづくりライター 新開 潤子   製造業専門で執筆活動を行う「ものづくりライター」。ものづくりについて広く知識を持ち、ものづくり技術を言葉で表現して伝える活動を、愛知県を拠点に展開中。   
https://office-kiitos.biz/

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